宮崎駿監督の引退について

宮崎駿監督、長い間お疲れ様でした。

作品の話は皆がやっているので置いておいて、
宮崎駿さんの仕事のやり方について書きます。

まず私は仕事師としての宮崎駿監督を尊敬しております。

下は引退会見からの引用です。

最初は僕は「ルパン三世カリオストロの城」は4か月半で作りました。それは、そんなに一生懸命にやって、寝る時間をさいてでも何とかもつというぎりぎりまでやると、お陰様で出来たんですが、そのときはスタッフ全体も若くて、それと同時に長編アニメーションをやることは生涯に1回あるかないかみたいな、そういうアニメーターたちの群れがいてですね、非常に献身的にやったからです。それをずっと要求しつづけるのは無理なんです。年もとるし、所帯もできるし、私を選ぶのか仕事を選ぶのか言われる人間がどっと増えてくるという。今度の映画で両方選んだ堀越二郎を僕は書きましたけど、これは面当てではありません。そういうわけで、どうしても時間がかかるようになったんです。

<中略>

片付けて寝るとか、この仕事はきょうでけりをつけようというのは一切あきらめたんです。やりっぱなしです。やりっぱなしで、放り出して帰るというのをやりましたけど、それでももう限界ぎりぎりでしたから。これ以上続けるのは無理だろうと。じゃあそれを他の人にやらせればいいじゃないかということは、僕の仕事のやり方を理解できない人のやり方ですから、それは聞いてもしかたがないんです。そういうことが出来るなら、とっくの昔にそうしていますから。

宮崎駿監督の仕事の仕方はモーレツです。

そのやりかたが自分の加齢でできなくなって、
また、それを引き継ぐスタッフにそのような働き方を望めなくなった、と。
はい、ワークライフバランスというやつです。

おそらくアニメ制作の現場は、ワークライフバランスとやらを守っていたら、
回らないし、ビジネスも成り立たないんでしょう。

外野の人はそれを経営者がイケてないからだ
と批判するのでしょうが、経営者は神じゃないですよ。

これでもう一人のモーレツ仕事師である、
鈴木プロデューサーが引退したら、
ジブリは本当に終わるのかもしれません。